カーテンは、室内のかなり広い部分を占めるもので、インテリアにとって重要な要素です。
また、カーテンは、装飾性と機能性の両方を兼ね備えたものです。この二つの働きをバランスよく発揮させることが大切です。
カーテンというと、装飾的な働きについ目が行きがちで、インテリアにとって、そうした働きもとても大切ですが、下記に説明するような基本的な機能を兼ね備えています。
カーテンの機能から考え、またカーテンが主に窓に接して取り付けられ、直射日光やほこりなどを浴びやすい事を考えると、カーテン用の布地には下記のような性能が必要になります。
ドレープ(厚地) | 重量感のある、厚手の布地でできたものの事です。ドレープでは「ゆったりとしたヒダ、優雅なおおい」といった意味があり、その名の通り、ゆったりとしたヒダが優雅さを与え、装飾性も高い布地です。 平織り、綾織り、繻子織りが基本となりますが、ドビー織りやジャガード織りの柄物も多く用いられます。糸が太く、織り目も密なので、光や風を通しにくく、吸音や保温効果も優れています。 主として応接間や居間、寝室や書斎などに用いられ、多くの場合レースカーテンとの併用になります。 素材はレーヨンを主にして、綿やナイロン、ウール、アクリルなどの混紡が多くなっています。 |
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プリント(薄地) | 布地に色を染めつけるものですから、色柄の豊富で、量も品数も多く、最も一般的な素材と言えます。 ドレープのような重厚さには欠けますが、価格も比較的安いので、軽快で楽しいデザインや色柄を楽しむ事ができます。 ドレープほどの遮蔽性はありませんが、目隠しや外光調節の働きがあります。主として、居間、個室(子ども部屋)などに用いられます。 プリントの場合は、レーヨンが多いようです。 ベッドカバーや壁布としても用いる事ができますし、それらとカーテンをペアにする事もできます。 |
ケースメント | レースに似た透視性を持っていますが、レースに比べて、ソフトな暖かみや、柔らかな風合いに優れています。 また、織りや柄に表裏がないため、室内の間仕切り用としても適しています。 レーヨンが主流ですが、ウール、ナイロン、ポリエステル、サテンなどがあります。 レースとドレープの中間的な役割りを果たします。 |
レース | 透視性や通気性を持っていますが、外光を遮らずにプライバシーを保つ事ができます。 ただ、夜間、室内の方が外よりも明るいような場合には室内のプライバシーは保てません。 白が中心で、涼感がありますので、以前は夏専用と考えられがちでしたが、現在ではドレープカーテンなどと併用する事が多いため、四季を通して用いられます。 織りレース(ボビンレース)と編みレース(ラッセルレース)とに分けられますが、素材はポリエステルが多く、レーヨンやアクリル、ナイロン、ビニロンのものなどもあります。 |
遮光カーテン | 寝室や暗室、映写室などで光を遮断するために用いるもので、二重織りにしたものや、裏面にウレタン樹脂やアルミ箔をコーティングしたものなどがあります。 また、普通のドレープ地に黒い裏地を付けるなどの方法がありますがいずれにしても取り付け時に注意が必要です。 |
防音カーテン | 厚地の布(ナイロン80%・レーヨン20%)に電気植毛をしたり、それに特殊な樹脂を塗布したものなどがあります。 一般の厚手のカーテンでもギャザーを多くとると5ホンぐらいの遮音効果があるといわれますが、特殊加工を施したカーテンだと15ホン程度の効果があります。 外からの音を遮断すると同時に、室内の音を外に出さないようにするのにも効果があります。 |
光触媒カーテン | 機能性カーテンの一つで、シックハウス症候群の原因の一つであるホルムアルデヒド等を軽減する効果もあり(VOC効果)、また消臭効果、抗菌効果も期待できる光触媒カーテンが最近出てきています。 |
ミラーカーテン | 生地の裏面を鏡面仕上げにしたミラーカーテンは、日中も室内のプライバシーを守る新しいカーテンです。 室内からの視線を妨げずに外からの視線をシャットアウトします。しかもレースの通気性や採光性はそのままです。 |
綿 | 丈夫で価格が安く、染色性も良いのですが、時間が経つと黄変し長時間太陽光に曝すと生地が弱くなります。 プリントカーテン地としてよく用いられます。 |
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麻 | 丈夫で腰が強く、シャリシャリとした感触がありますが、シワがよりやすく縮みやすい性質があります。 しかし、太陽光には強く、ケースメントとしてよく用いられます。 |
絹 | 光沢があって美しく、上品な風合いがあります。染色性もよいが、虫害に弱く、太陽光にも極めて弱い性質があります。 カーテン地としてほとんど用いられません。 |
毛(ウール) | 柔らかな風合いがあり、保温性、通気性に優れています。太陽光にも比較的強いのですが、虫がつきやすいといえます。 縮みますから、あらかじめ薬品で縮めたものを用いたり、ドライクリーニングをします。 |
レーヨン | 価格が安く、光沢があり、染色も良く加工も容易で、ドレープ性も良いのですが、シワがよりやすいのが欠点です。 ドレープカーテン地として多く用いられています。耐久性はあまりなく、洗濯もドライクリーニングに限られます。 |
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キュプラ | シワになりにくく、光沢も美しく、手触りもよいので高級ドレープ地として用いられます。 |
アクリル | ウールのように柔らかい感触があり、軽くて保温性もあります。 シワになりにくく、染色性も鮮やかで、太陽光にも強いので、カーテン素材としても多く用いられていますが、毛羽立ちやすく、熱に弱い事が難点です。 |
ポリエステル | 摩擦に強く、シワになりにくいうえ、熱にも強いためレースカーテンの素材として多く用いられています。 帯電しやすく汚れやすいのですが、水洗いできるので楽です。 |
アセテート | 軽く光沢に優れていますが、熱や摩擦に弱いためカーテン地としてはあまり用いられなくなっています。 |
ポリクラール | 難燃繊維で高熱に強く、太陽光にも強いので、ドレープカーテン地やプリントカーテン地として多く用いられます。 特性はアクリルに似ています。 |
ガラス繊維 | 不燃繊維で伸び縮みが少なく、熱や薬品、太陽光にも強く絶縁性もあります。 |
カーテンのお手入れについて簡単にご紹介致します。
カーテンは普段からほこりを払って、静電ブラシなどを掛けよく手入れしておく事が必要です。
それでも開口部に吊るしておき、直接手を触れて操作するものですから、どうしても汚れやすいと言えます。
そのために定期的なクリーニングに出したり、洗濯したりする事が必要ですが、洗濯する事によって生地の硬化を防ぎ、自然なドレープを保つ事もできます。
ただ注意しなくてはいけないのは、素材の特性に適した洗濯方法でないと、縮んだり形くずれを起こしたりしますので、気をつけたいものです。
カーテンに付いている「取り扱い表示記号」等を保管しておく事も 必要になります。もし、洗濯のためにカーテンが縮んでしまったら、裾の折り返し部分を解いて、丈を調整するしか方法はありません。
レースや薄手のカーテン類のほとんどは、中性洗剤を用いて家庭用の洗濯機で洗濯する事ができます。
ビロード地や厚手のドレープカーテンなどは、クリーニング専門店に任せた方が無難です。
また最近、家庭内でホワイトガソリンを用いてカーテンを手洗いする人が多いようですが、揮発性が高く大変危険ですから、やらない方がいいでしょう。
金属部分は、時々乾拭きして金属用ワックスや由布などで磨くようにして下さい。
カーテンの性質上、以下のような事がありますが、ほとんど問題ありませんのでご安心下さい。